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「世界のどこかで」


第二話「桶狭間模倣戦」


ヨモス暦3898年 陽の月 37日 静の曜日 午後26時59分
ソドノ平原を自国グリーンズノーマルへと30分ほど戻った位置にある谷間に挟まれた街道。
グリーンズノーマル国首都リーフは山に囲われた盆地に城と城下町を建てた天然の不落の城砦である。
その三つある内のソドノ平原へと続く一つの道「剣」街道の山頂付近に下を見下ろす50人あまりの人たちがいた。
ここの街道の上、山頂に人がいることは滅多に無い。
景観がいいわけでもなく、戦略上、上から攻めるということはこの世界ではあまり意味が無い。
魔法にあまり上下で威力もかわらないし、何より空を飛ぶ生物が多いのだ、飛龍、グリフォン、マスティコア・・・
人の身で太刀打ちできない生物を駆る人間、この世界の戦いでは当たり前のことである。
そして下街道の入り口付近ではリーグル国の侵攻軍が一時陣を張って休憩をしている。
それを見つめる50人の内この世界にはおよそ似つかわしくない服を着ている一人の青年がつぶやく。
「・・・なんでこんなことになった?」
そう、白木 和真である。

時は遡りヨモス暦3898年 陽の月 37日 静の曜日 午前13時57分
わけの分からん、爺の相手をした後に戻る。
爺に勝利を収めたあとイキナリ10人くらいが飛び掛ってきたので、とりあえずボコった。
「だから、ここは何処なんだってば。」
流石に俺も頭が混乱し始めた頃に周りを囲んでいる兵らしき人達がイキナリ道を開け一人の女の子が出てきた
見た目、アレだお姫様。
いやー、なんか凝ってる映画の撮影だなーと思うとその姫様が腰に挿している剣を引き抜き
「一つ聞きます、野蛮な平民よ。 貴方は敵では無いのね?」
俺に切っ先を向けつつそう言った。

これは賭けだった、彼が敵であれば私は一瞬の内に殺されていただろう。
なにせデュッセルを素手で勝利を収めたのだ。
私では何をやっても勝てる要因が見つからない。
だけど私の勘では彼は敵では無いと告げていた、だから前にでて彼に質問したのだ。
しばらく彼は剣と私の顔を何度か見た後両手を挙げながら言った。
「多分敵じゃねーよ、なにかしてくるんなら最大で抵抗させてもらうけどな。」
やる気の無い顔を見せた彼に私は剣をしまい背を見せ
「デュッセル、彼を連れて来なさい。」
彼の横で呆然と膝をついている私の右腕に声をかける
「ッハ、ハイ、畏まりました姫様!!」
「うぉ!! イキナリ復活しやがった!?」
「小僧!! わしと一緒に来い!! 姫様が呼んでおられるのだぞ!!」
「イキナリ飛び掛ってくんな!! 気色悪い!! 状況の説明しろって!!」
「くぬ、いいからコイ!!」
なんか後ろでアホらしい言い合いが聞こえるので振り返って
「貴方に状況を説明してあげるのよ、さっさとデュッセルについてきなさ・・・い」
振り返ると、デュッセルは空中に舞っていた
下には拳を天へと掲げている平民。
そして風に乗ってデュッセルの言葉が聞こえる。
「・・・やりおる。」
ここで、この国ナンバー2の騎士と言われた老兵がナンバー3になった瞬間である。
「いい加減にしなさーーーい!!」
陣に全体に響き渡る声でバカ二人をたしなめる私であった。

「・・・何をしている。」
私は怒りを抑えながら小僧の所業についてたずねると。
小僧はこっちを見もしないで
「いやー、見たら分かるだろ魚焼いてるの。」
そこいらの兵から借りたのか、金網を適当に作った焚き火の上に見たことも無い魚を置き調理していた。
「塩があってよかったぜ、塩があれば料理は千差万別だからなー。」
喜んで調理している小僧に私は切れた。
「えーい!! 姫の御前で何たる無礼!! その首たたっ斬ってくれる!!」
私が愛用の剣を引き抜き振り下ろすと、焚き火が粉々になり火が消える。
そこには小僧の姿は無かった。
「はいはい、落ち着けって、話は聞いてる。」
横から声がしたので横なぎを食らわせようとしたのだが・・・
「むぐっ!!」
口の中に今までかんじたことの無い味わいが広がる。
「美味い!?」
私の口の中には先ほどの魚が突っ込まれていた。

横でキスを食べている爺さんをほっておいて
「どうだい? くうか? 姫さん?」
キスを差し出しながら言ってみた。
するとお姫様は頭を抑えながら
「ええ、いただくわ。」
キスを一口食べる
「むっ・・・。」
お姫様はこちらとキスを往復で見てるので。
「いや、食べてから話そう。」
内心やれやれと思いながら一応姫様らしい子がキスの塩焼きを一生懸命食べている姿を見ていることにした。
その間に一応自分なりに考えを纏めてみる事にした。
まずこの場所自分が幻覚とかを見ていないなら俺自身の知らない場所。
そしてこの地域の文明レベル、どう見ても中世ヨーロッパに酷似している。
なにより、魔法という概念。
結論「異世界」
ありえねー
自分の考えを一蹴してしまいたかったが、あまりそう言う状況ではないらしい。
服装とか持ち物はさっき商店街でのものと一緒、自分の都合のいいように鎧とか着てないし夢という線が低い。
携帯はなぜか時間が表示されなくなり、通話不能、電力消費を避けるため電波OFF状態。
まず自分がおかしくなっていないと言う前提でここが「異世界」として取るべき行動は・・・。

「はぐはぐ・・・」
私は珍しく美味しく料理を食べていた。
ここ最近戦争やらなんやらで食べものに意識がまわらなかったのだ。
この変な行動をする平民のおかげで戦前だというのに、余裕を持って食事をできていた。
ただの魚を塩焼きした物を食べているだけなのに、本当に美味しかった。
そして最後の一匹を食べつくして気がついた。
「はっ!!」
顔を上げると、なんか、父上と母上が私に向けていたような顔でこちらを彼が見つめていた。
横にも魚の跡をつけたデュッセルがいた。
食べたのか、そんなに忙しく。
「いやいや、美味しかったようでなにより。」
平民は満足げな顔で喋る。
「ふんっ、貴方がいきなり料理しはじめるのが悪いのよ。 それと話聞いてた!?」
なんか恥ずかしいので無理やり話を変えてみる。
すると彼は金網とか焚き火の片付けをしながら
「ああ、一通りな、ここはグリーンズノーマル国で今は隣国と戦争中。 そしてあんたはここで迎撃準備をしている姫様。」
なげやりにやる気が無いといった感じで私たちを見ながら言った。
「その通りよ、今から私たちは2時間もしないうちに敵軍の進行部隊と接触、戦になるわ。」
「姫の御心に感謝せよ、無礼を働いたお前を許し、ここから逃がしてやるといっているのだ。」
横からデュッセルが言葉を続ける。
「先ほどは私たちもあなたに迷惑をかけた、今すぐここから離れなさい。」
横の兵士に目を配ると金貨の入った袋を彼の前に置かせた。
彼は中身を予想したのか
「なぜこんな待遇を? 姫様にした無礼を考えればここのレベルの政治制度なら打ち首がいいところだ。」
彼は、とくに表情を変えず自分がどうなるかを言っている。
「貴方は我が国の現在いる中の選りすぐりの騎士を破ったの、その腕に敬意を払っただけ、貴方は普通あそこで死んでるわ。」
私は淡々と語る。
当然だ、あれほどの腕前であれば何処の国でも重宝するだろう。
「貴方がなぜ空から降ってきたのか、なぜ見たことも無い格好をしているのかは問わないわ。
 旅をしている様には見えないけど。 何処へ行くにもお金は必要でしょ。」
そこで彼とは別れるはずだった、私も彼を部下に欲しいとは思う。
だが、現状では滅びる一歩手前、この関係の無い平民を部下にしても戦死させてしまうだろう。
一人の強さと戦争の強さはまったく別物だ、彼がいかに強くともこの戦いに勝利は無い。
しばしの沈黙の後私の目の前に私が渡した金貨の袋が落ちてきた。

そう、この目の前に広がる光景が現実ならば、ここはある程度権力のある奴についていった方が色々とやりやすい。
自分が帰る方法も、ここに来た理由を調べるのにも。
結論
「俺もその戦いに混ぜろ、姫様。」
こうなったら、目の前に転がる姫様に取り入る方が手っ取り速い。
先ほどの爺との戦いである程度一目置いてくれたようだ。
ならこの状況を利用しない手は無い。
唖然としている姫に告げる。
「いいか、劣勢なのも、これが最後の戦になるかもしれないってのも知ってる。」
「なら!!」
小さい姫様が身を乗り出して、俺に文句を言おうとする先に・・・
「俺なら勝てる。」
そのまま座ったまま、なにも表情を変えないで言い放った。


で時間は戻りヨモス暦3898年 陽の月 37日 静の曜日 午後26時59分
「ふう、実にあっけない。」
髭を生やした、身なりのよい男はつぶやいた。
彼はグリーンズノーマル国を攻めるリーグル国の「火炎のヤリ」と異名をもつ将軍ローベルであった。
そう実は戦は起こらなかった。
彼も斥候からの報告でソドノ平原に姫のわずかな部隊が陣を張っていることを知っていた。
直感もしていた、これが最後の戦いになると。
だが、彼の期待は裏切られた、姫の兵力と彼の兵力は10倍差があった。
そう3万対3千は結果が決まったようなもの、戦は大体数できまる。
だが敵の姫はそれでも陣を張り私達と戦う姿勢をみせたのだ。
これを彼は喜んでいた。
かの姫の父君は先の行方不明になる戦で五倍にも当たる兵力差を覆した名将でもある。
その娘の姫君が相手なのだ、将軍としての血が騒いでいたのだが。
全軍対峙したときにそれは起こった。
彼女の軍がイキナリ瓦解、食料や何もかもを置いてバラバラになったのだ。
そう士気が無かったのだ、姫はやる気だったのかもしれないが兵士がそうではなかった。
自分の死に恐ろしくなった兵達はバラバラ、姫も見つけることは出来なかった。
そして私は、明日のグリーンズノーマル国の首都を落とすため剣の街道で休息をとることにした。
もう、抵抗はありえないだろう、姫が直々兵力3千を率いてきたのだ、本国にはもう戦力は無いだろう。
ついた途端に降伏だろう。
「つまらん。」
そういって彼は手に持っていたワイングラスを投げ捨てた。

「これで、私の家が復興できる。」
敵の部隊の一角に酒のビンを持った戦場に似つかわしくない女性が佇んでいた。
見たところ、まだ其処まで年齢もいっていない「女の子」と呼んでいいくらいである。
しかし、階級を見ると一角の隊長を背負っている。
そして、この世界ににつかわしくない武器も腰に下げていた。
「ようやく、御爺様の願いが叶います。」
彼女は腰に下げた刀を強く握り、空を仰ぎ酒を飲み干そうとすると視界に何か入った。
「・・・なんだ?」
それは人がギリギリ歩いて降りれる崖と呼ぶにふさわしい場所を数十人が駆け下りていた。
その中に和真の姿もあった。
「敵襲ーーー!!」
そう女隊長は叫んだが、酒に酔っている部下や他の対の兵士は反応できず。
彼女は敵に一人で切り込んでいった。
「うぉぉぉぉ!!」


ヨモス暦3898年 陽の月 38日 静の曜日 午後0時10分
「10分たったわね。 私たちも出るわよ!! 出陣!!」
私は本隊2500人前後を率い街道入り口で陣を張っている敵に攻撃を仕掛ける。
敵は殆どが混乱しているため、まったく相手にならない。
だがやはり数が多い、このまま突っ込むと孤立して殲滅されるだろう。
「なるべくこの状態を維持して前進しなさい!!」
側近にいる兵へと伝達。
目の前で敵兵が崩れている。
「早く・・・早く・・・カズマ!!」
この混乱も長くは続かない、カズマが敵将を倒さないことには、負ける。
そう、この作戦は彼によるものだ。
彼の作戦は今まで聴いたことも無い作戦であった。

「まずな、敵と対峙したときに総崩れのような感じで物資捨てて逃げる演技をさせろ。」
「は?」
「・・・。」
私は驚いた、いきなり逃げろと言ったのだ演技で。
「どういうことよ!!」
机を叩きながら平民を問いただす。
なのに平民ときたら地図に指を刺し淡々と続ける。
「この街道入り口を基点に、ここと、ここと、ここ。」
三箇所にマークをつける。
「だから!! どういうことよって・・・むぐっ!!」
いきなり口をデュッセルからふさがれ。
「姫ここは一度落ち着いて小僧の話を。」
いつに無く真剣な顔で言って来るものだから。
「わかったわ。」
「いいか、これは時間が鍵だ、この三箇所に所定の人数を集めろ、逃げ出す兵士の奴らにそう伝えろ。」
デュッセルは頷く
「小僧、お前何者だ。」
「まあそれは追々話すから頼むぜ。」
「どういうことよ!?」
勝手に二人で話がまとまっているので騒ぐと
「俺は使えそうな50人を集める、爺さんあとたのむぜ。」
「わかった。任せろ。」
そう言って平民が去るものだから。
「名前ぐらい教えなさい!! どう呼べばいいか分からないじゃない!!」
すると彼は立ち止まり
「和真ってことで。」
「ふむ、任せるぞカズマ。」
「・・・カズマ。」

この作戦の要は俺の部隊。
ついでに、一番危険が高いのもこの部隊。
あーやってられん。
が、帰るためにも、ここは踏ん張り所である。
作戦の元は俺の世界の俺の国の昔の戦国とか言う時代の自称魔王がとった作戦だ。
敵の油断しているところを突入、本陣に食らいつき敵総大将を倒す。
そして敵軍は総崩れ。
そういった作戦だ、だからわざわざ、食料とか色々残して逃げたフリもしたし、後ろにも爺さん率いる兵が隠れている。
10分たっただろうし、姫様も本隊を動かしているはずだ。
で総大将を探してはいるのだが。
「カズマさん!! 向こうにはいないそうです、っぐ!!」
「大将こっちもだぜっ!!」
引き連れていた、兵も少なくなってきた。
50人という少数ではあるが混乱させるのには十分だった。
だが、流石に見つからないか・・・
「さてどうしたモンか・・・」
と敵を適当にぶっ倒して(気絶させてるだけ)いると、イキナリ炎のが線のように飛んできて仲間を貫いた。
「うわぁぁぁぁ!!」
一人が爆発と共に炎に包まれた。
「おい、大丈夫か!?」
なんとか敵を払い、火達磨になった俺よりも若い青年を助ける。
見た感じ、腕が貫かれて、火傷を起こしていた。
思ったより、怪我の程度は低い。
なので
「おい、えーとデイだっけ、そのまま死んだフリしてろ。 そっちが安全だ。」
と声をかけ立ち上がると足元から
「す、すいません・・・。」
「気にするな。 この部隊に入ってくれて感謝してる。」
さて、問題はさっきの火の矢みたいなのを放ってきた魔法使いだ。
先ほどの突入で魔法使いとは何度か戦ったが爺さんまでの使い手はいなかった。
接近すれば終わり、それだけのしょぼい魔法使いばかりだったのだが。
「おっと。」
見えない位置から火の矢が飛んでくる。
それを適当にかわす。
・・・兵が周りを囲むだけになってるな。
すると奥から偉そうなオッサンが出てきた。
何かそのオッサンは満足げに
「この作戦、姫の案か?」
なんて聞いてきたものだから。
目立ちたくない俺は
「そだよ。」
まあ名前が売れても困るのでこういった。
オッサンはとても愉快そうに笑った後
「流石だ!! 流石王の娘よ!! この奇襲で我が軍は多大な被害を受けた!!」
おいおい、喜ぶところ違うだろ。
あれか、戦闘狂ってやつですか。
さらにオッサンは続ける。
「先ほどの総崩れはこのためか!! なるほど見事にしてやられた!!」
・・・まずいなこいつ思ったよりも頭が回る。
最後に笑うと表情が変わった。
「うぉ!!」
イキナリ先ほどの速度とは段違いの火の矢が発射された、いや、まずいね。
「ふ、姫の実力はよく分かった、だが、甘かったな。いや私が強すぎたのか。」
「おいおい自惚れも大概にしろよオッサン。」
俺がそういうと、指を鳴らす。
「自惚れ? 違うな、これは事実だ。」
オッサンの後ろから捕まった俺の仲間が出てきた。
「46人だ、お前を含めれば47、残り3人は抵抗が激しかったのでな。」
横に大きな消し炭が3つ転がっているのに気がついた。
「そう、私だ、こいつら殺し、捕まえたのは。 この奇襲隊、なかなかの気合だったぞ。」
「それは、お褒めにあずかり光栄だね。」
「見たところ、君がこの奇襲隊の隊長らしいがすまないね、君にかける時間は無いのだよ。」
そう言うとオッサンが手を突き出し、尖った炎がこちらに伸びてくる。
「むっ!?」
声を上げたのはオッサンの方だった。
そう俺はオッサンの攻撃をかわしていた。
「バカな!!」
ヤリを持つように伸縮自在の炎のヤリで俺を突き殺そうとするが。
この将軍の敗因はヤリや矢といった固形で炎を操ったことにある。
動きが線であるといなすのが簡単になる。
当たるのだが全く致命傷にならない。
「あっついなーもう!!」
俺はそういいながら、剣で槍をいなしながら距離を縮める。
「くそっ!!」
ヤリを横に振り回しはじこうとした、だが感触が無かった。
剣だけが空を舞っていた。
「残念。」
顔を下に向けると先ほどの平民隊長が笑いながら。
「天罰!!」
拳を連続で急所に浴びせられローベル将軍は気絶した。
そしてここに勝敗は決した。
目の前で自分達が従う最強の男が倒されたのだ。
兵達は四散し総崩れ。
そしてさらに・・・
「かかれーーー!!」
爺さんの声が木霊した。


朝がやってくる、流石に泥だらけだ。
「カズマさん、みんなの治療終わりました。」
「ああ、ありがとさん。」
俺は、そう仲間の話を聞きあたりを見回す。
死体だらけだった・・・
自分の味方の死体は敵より多くはないが確かにあった。
「なれてる、か。 つらいな。」
かすかに死体の山が動いた気がした。
そこから一人の女の子が立ち上がる見たところ、15か16のぐらいの金髪の子だ。
まだ生きてるのか、手当てを呼ぼうと思ったその時。
「お前だな!! 我が軍を奇襲してきたのは!!」
手に持っていた刀を引き抜いて襲い掛かってきた。
「刀!!」
いきなり手がかり発見!!
構えから見ても、日本の剣術のそれだ。
疲れていたのが原因だったと思うが。
「部下の恨み!! 死ねぇぇぇ!!」
感情のまま振ってきた剣を白刃取りして
「え?」
叩き折った。
「えええーーーーー!!」
フールは叫んだ。
驚いている彼女を担ぎ上げる
「な、なにをするつもりだ!!」
「助かった命だ大事にしろ。」
「う、うるさい!! ならなぜ連れて行く!!」
「あー・・・材料?」
俺は帰るためのといったつもりだったが。
「いやーたすけーてー!!」
暴れだしてしまった。


その後、姫には変態といわれ。
爺にはもうちょっとそう言う趣味は皆に見つからないようにやれといわれた。
「おい、いつから俺はそう言うキャラになったよ。」
金髪の女の子は折られた刀をボーぜんと見つめていた。
ついでに、後ろから先ほどの総大将ローベル将軍を引き連れて。
驚いたことが一つ、ローベルを捕まえる際に体を起こすと髪が落ちた・・・
「・・・カツラ。」
「カツラですね。」
戦いに疲れたデイと俺は笑うことも出来ずに見事なハゲを見つめていた。


第二話「桶狭間模倣戦」終わり